美しいライトグリーンをした天然石。謎に包まれたリビアングラス ( Libyan desert glass )。古代から神秘的な宝石として珍重されてきたという。
エジプトとリビアの国境の間に位置する大きなリビア砂漠、その面積は約170万平方キロメートルに及び、流砂による砂丘地帯が広がっている。リビア砂漠は、古代エジプト時代から宝石として重宝されていたリビアングラスの産出地である。ある古文書では「宝石の散らばる砂漠」とも言い伝えられてきた。
謎の宝石リビアングラス!隕石が衝突して生まれた天然石?
リビアングラスが自然の中でどのようにして生成されたか、未だにハッキリとは解明されていない。その起源には諸説ある。本来天然ガラスは、火山活動で噴出したマグマが海水などで急速に冷やされて生み出される。
しかしリビアングラスのように、透明度のある黄色から黄緑色をしているガラスの生成には約1800℃の温度が必要だ。しかしマグマの温度は約1100℃で、リビアングラスは作れないという。そこで最も有力なのは、およそ2900万年前の隕石衝突説というわけだ。
リビアングラスはリビア砂漠の広範囲に渡って点在しており、その一帯には石英や隕石由来の物質、隕石が衝突してできたと思われるケビラクレーターなども発見されている。
隕石衝突説を提唱する地質学者は語る。リビアングラスは、隕石が炸裂した時の巨大な熱放射で、地表の岩盤を瞬時に融解し、再度固まって生成された天然のガラスだと言う。隕石が地球に衝突すれば、大地は瞬間的に3000℃の温度にも達する。
そして隕石に多く含まれる希少金属イリジウムも含有しており、宇宙の力を秘めたパワーストーンとしても脚光を集め始めた。隕石衝突によって生まれた天然ガラスはテクタイトと呼ばれる。
# ツタンカーメンの秘宝 有翼スカラベ付き胸飾り と リビアングラス
古代エジプトの王、ツタンカーメンの墓から出土した秘宝の一つであるツタンカーメンのペンダント「有翼スカラベ付き胸飾り」。その胸飾りの中央に埋め込まれているスカラベの装飾宝石に、リビアングラスが用いられている。
スカラベ ( scarab ) とは、いわゆるコガネムシ科の"ふんころがし"のことで、古代エジプトでは「太陽をつかさどる神の化身」とあがめられ、再生や復活を象徴する虫であった。なぜ太陽の神かと言うと、古代人は、フンコロガシが何もないところから丸い球(フン)を生み出して転がしている姿を、天体の誕生と結び付けた、という事らしい。
消えてしまった太陽がスカラベの力によって蘇り、また朝を迎えるように、死者を埋葬する際には、心臓のような形をしたスカラベの彫刻を護符として、胸の部分に残した(ハート・スカラベ)。
数多くのミイラの胸元(心臓の上)では、スカラベが副葬品と祭られていた。「有翼スカラベ付き胸飾り」もまた、ツタンカーメン王の復活・転生を強く願って作られたものなのだろう。
死者の輪廻転生を信じ、厳かに神を信教していた古代人が遺した文化や財産は、現代人の僕らにとって、とても貴重でロマンチックな人類の歴史だ。
# パワーストーンとしてのリビアングラスの効果・効能
そんな隕石と地球の衝突から誕生したという、奇跡のような神秘のレアストーン。リビアングラスはカルマ(業)の浄化や、魂・前世・輪廻・運命と強い繋がりがあると信じられ、宇宙のエネルギーが宿っている強力なヒーリングストーンとして世界中で人気のようだ。
鼈甲飴(べっこうあめ)のようなクリーム系の優しい色合いがとても綺麗で、僕も気に入った。ちなみにリビアングラスは、日本でも通信販売などで普通に流通しているので、欲しくなっちゃった人は買って手元に置いてみるのも良いかも知れない。素敵なパワーが感じられるかも!
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