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スチールウールを燃やす

火は、我々の生活には欠かせないとても身近な自然現象だが、様々な物質に面白い化学反応を起こすきっかけともなる。今回紹介するのは、家庭でもできるような火を使った簡単な10のトリックだ。

しかし扱うのは火なので、扱い方によってはそのどれもが危険だ。もし同じ実験をする際には、安全眼鏡、手袋をして、近くに燃え移る物がない事を確認し、換気の良い広い場所で、大人の監督の元で行う事。必ず細心の注意を払ってくれ。

火を使用する家庭でもできる簡単な化学実験!火を使ったトリック動画

その殆どが、ただ単に火を点けるだけというとても簡単なお手軽な実験!それでは一緒に見ていこう。


# 実験その1. Traveling Flame:
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* 用意するもの : ライター、ロウソク、ロウソク立て


Traveling Flame
* 実験方法 : ロウソクに火をつけて火を消す。噴出している煙に向けて再び火をつける
* 起こる化学現象 : ロウソクの火が再び付く

ひとつめは非常にシンプルでありながら見ていても楽しい、素晴しい、火を使ったトリックだ。

一般的なキャンドルの幾つかは、パラフィンと呼ばれる石油の副産物である化学物質を含んでいる。あなたが煙に向かって再点火すると、実際には煙の中のパラフィンの残留物へ点火することになる。それが再び導線を辿りロウソクの火を灯すのだ。動画では、ロウソクから15~18センチ離れて再点火している。


# 実験その2. Rising water
Rising water
* 用意するもの : ライター、キャンドル、お皿、水、ガラス管や細いグラス、(食紅)


Rising water
* 実験方法 : お皿に水を注ぎ込み、キャンドルをその上に置く、キャンドルに火をつけた後に、ガラス管をその上から被せてフタをする
* 起こる化学現象 : 水を吸い込む

キャンドルの上にガラス管を配置すると、火は酸素を燃焼して真空を形成する。真空となったガラス管はお皿に注がれた水を吸引する。


# 実験その3 : Crayon candle
Crayon candle
* 用意するもの : ライター、クレヨン、クリップ、お皿


Crayon candle
* 実験方法 : クリップで挟んだクレヨンに火を点ける
* 起こる化学現象 : クレヨンが炎を長く維持する

15~20秒の間、クレヨンに火を当て続けると発火する。その後、5~10分間の間、クレヨンは燃え続ける。


# 実験その4 : Burning ping pong balls
Burning ping pong balls
* 用意するもの : ライター,ピンポン玉,トレイ


Burning ping pong balls
* 実験方法 : ピンポン玉に火を点ける
* 起こる化学現象 : ピンポン玉が激しく燃える

ピンポン玉は、セルロイドというニトロセルロースと樟脳(ショウノウ)などから合成されて作られた合成樹脂(プラスチック素材)からできている。このセルロイドは非常に可燃性である。「バーニングピンポンボール」という実験名の通り、ピンポン玉がとにかく燃える燃える。

この実験を行うときは、毒性の煙霧に注意すること。決して煙の中で息をしないようにしよう。


# 実験その5 : Candle seesaw
Candle seesaw
* 用意するもの : ライター,ロウソク,グラス2個,クギ


Candle seesaw
* 実験方法 : ロウソクの真ん中に釘を刺してグラスの上にシーソーのように置く、ロウソクの両端に火をつける
* 起こる化学現象 : シーソーのようにロウソクが動く

まずはロウソクを割らないように気をつけながら、ちょうど真ん中の辺りに穴を開けて釘を刺そう。グラスの上に釘を置いて、シーソーのように上手くバランスが取れれば成功だ。あとは火を点火すればいい。

炎は蝋(ろう)を溶かすので、重い方のロウソクの端側が重力の影響で下に落ちる。下側になったロウソクは、より炎が蝋を燃やすため急激に軽くなる、すると今度はロウソクの逆側が下に落ち、ロウソク全体が揺れ動く。完全自動のキャンドルシーソーの完成だ。

釘がちょうど中央にある場合は、360度の回転を見ることもできる。


# 実験その6 : Fire in a bottle
Fire in a bottle
* 用意するもの : ライター,細長いボトル,消毒用アルコール


Fire in a bottle
* 実験方法 : ボトルにアルコールを注ぎ、ボトルを振ってアルコールを全体に行き渡らせてからボトルの口に火を当てる
* 起こる化学現象 : ボトルが笛のように音を出しながら、炎が降下する

アルコールは2~3センチほど注ぐのがコツだ。ボトル内部をアルコールでコーティングする感覚でボトルを振ろう。後はボトルの口に火を近づければ綺麗な炎を見ることができる。この時、ボトルは笛のような大きな音を出すのが特徴だ。


# 実験その7 : Singing pipe
Singing pipe
* 用意するもの : 底が篩(ふるい)状にメッシュスクリーン加工された金属パイプ,バーナー


Singing pipe
* 実験方法 : 篩状のパイプの底をバーナーで熱し、パイプを縦に立てる
* 起こる化学現象 : パイプが音を発する

底がメッシュスクリーン加工され、篩や網状になっているパイプは"singing pipe"と検索すれば購入できるだろう。パイプの底を熱しそれを縦に傾けると、熱がパイプを上昇し、パイプの共鳴を引き起こす空気の流れとトーンを生成する。もし横に傾ければ、トーンはなくなる。

※ GIFでは音が出ないので、最後に紹介する動画の方で、パイプから発せられる音を確認して欲しい。


# 実験その8 : Black Snake
Black snake
* 用意するもの : ライター,砂糖,ベーキングソーダ,消毒用アルコール,お皿


Black snake
* 実験方法 : お皿の上で、4:1の割合で砂糖:ベーキングソーダを混ぜる、その上にアルコールを垂らして火をつける
* 起こる化学現象 : 花火の蛇玉のように燃える

これから料理でも始めるかと勘違いしそうだが、これは実験だ。砂糖4:ベーキングソーダ1の割合で攪拌(かくはん)して、その上からアルコールを適量加える。アルコールはあくまで適量であることが重要だ。すると魔法のような出来事が起きる。


# 実験その9 : Fire tornado
Fire tornado
* 用意するもの : ライター,金属製の容器,メッシュのゴミ箱,消毒用アルコール,回転する土台


Fire tornado
* 実験方法 : ゴミ箱の中に、火をつけたアルコールの容器を入れる、それを回転させる
* 起こる化学現象 : トルネードのように、炎が激しく回転しながら上昇する

メッシュのゴミ箱が回転すると、炎の周りに小さな渦を発生させ、炎を回転させながら激しく上昇させる。今回の実験では、DJがライブパフォーマンスに用いるターンテーブルを使用した。


# 実験その10 : Steel wool fire
Steel wool fire
* 用意するもの : ライター,スチールウール,トレイ


Steel wool fire
* 実験方法 : スチールウールに火を点ける
* 起こる化学現象 : スチールウールがチリチリと綺麗に燃えていく

理科の学校授業で体験した人もいるかも知れない、スチールウールに火を点けるとチリチリチリッと小奇麗に燃えていく、何とも小気味良い瞬間だ。


それでは、最後に動画を紹介しよう、これまで紹介した火のトリック実験を纏めて閲覧できる。

10 Amazing Fire Tricks!

以上、10の家庭で誰でも手軽にできる火を使った面白い実験動画はどうだったかな?火って僕らが生活していく上で欠かせない大切なものであり、物質によって様々な変化をもたらす本当に神秘的なものだよね。暗闇の中で見る炎ってのはそれだけでも美しいものだ。

自宅でも簡単にできるこれら火を使ったトリック、もちろん安全に配慮しながらになるが、パーティーなどで試してみるのも楽しいかも知れないね。

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