
ネガティブスペースとは、アートの世界で「対象の間に存在する空間」という意味の用語だ。1915年頃にデンマークの心理学者であるエドガー・ルビンが考案した 「ルビンの壷」 であれば、おそらく誰もが一度は見た事があるのではないだろうか?

「ルビンの壷」とは、黒地と白地の2色の図形から成り立っており、2人の大人が向き合った顔にも、影の部分が壷の形にも見えるという、あの画像の事である。ネガティブスペースを応用した代表的な作品であると言える。
今回紹介するのは、そのネガティブスペースにキラめく要素を詰め込み、まるで2つの世界が存在するかのような素敵なアート作品だ。騙し絵のような、目の錯覚のような、そんなちょっと不思議な感覚を楽しんで頂きたい。
ネガティブスペースに描くユニークでシュールな世界。騙し絵のような絵画のアートデザイン
マレーシアを拠点に、芸術家、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動している 鄧堯逢 ( Tang Yau Hoong ) によるアートデザイン。彼はシンプルだが創造的なユニークな方法で、シュールで概念的な世界観のアートを描き出す。








ネガティブスペースの応用は、アートだけではなくロゴデザインなど商業的なイラストデザインにもよく見られる。ロゴのネガティブスペースを活用することで、シンプルな1つのロゴの中に、複数のイメージや印象を効果的に与える事ができるのだ。





















1つのイラストの中に、2つの世界がナチュラルに混在しているみたい。騙し絵という程の錯覚ではないけれど、とても不思議な感覚で見ていて楽しいね。パステルカラーの色合いや、絵本のような優しい絵のタッチや独特な世界観もとても好きだ!
ネガティブスペースとは、普段の生活では聞き慣れない言葉だけれど、よくよく思い出してみるとポスターやロゴデザイン、CDジャケットとか、実はとても身近なアートデザインとしてよく活用されているんだね。
鄧堯逢 Tang・Yau・Hoong :
tangyauhoong.com